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カメムシ
小村 晃一


 先日、自宅のトイレの中で、水に浮かんでもがいているカメムシを発見しました。
 今年の秋、悪臭を放つカメムシ類が、全国的に大量発生しています。
「カメムシが多いと冬、大雪になるから今冬も心配」
「今年の冬は寒そうだな。カメムシ大量発生だし大雪降るのかな」
「カメムシが多い年、冬は大雪になる」という説は本当でしょうか?

「カメムシは成虫で越冬します。雪国では冬になると、このカメムシが人の家の中に侵入して来て群れるというようなことが、特に人家に隙間が多い昔はよくあったと聞いています。したがって、冬のイメージとカメムシのイメージが結びついて、このような話になったのかなと推測します」
 気象庁によりますと、今シーズンの冬の降雪量は、冬型の気圧配置が弱く、東日本・西日本の日本海側では、雪の量は少ない見込みとのことです。
 やはりカメムシと大雪の関連性は低いのかもしれません。
 カメムシを見ると、私が入社数年後の事件を思い出します。
 
 それは、うちの営業部長だったOさんの行動です。私の運転で、朝から奥出雲、雲南方面へ出かけました。前夜のお酒が少し過ぎていたようで、途中で何回も車を停めくれと言われて、水を飲まれました。山中で穴場と思われる湧き水の場所を沢山知り尽くしておられることに驚きました。夕方、用事が終わり、会社に帰る直前にも「停まってくれ」と言われ、近くの路側帯に停まりました。こんな場所には水飲み場所は無いと思いましたが、ドアをあけて、いきなりズボンのチャックを開けて車外へ出られました。路上での立小便は不味いと思いましたが、なんとももひきを脱ぎ、パンツの中をまさぐられ、暫くした後、「カメムシ」を取り出されたのです。そのカメムシは外に飛んで行きました。
「ババ(奥様)が洗濯もんを取り込むとき、気いつけてないからこんなもんがはいっとったわ。」 
手を嗅いで、
「まったく、臭いやつだ。よもよもだわ。だけん、朝からなんかモゴモゴするなと思っとったわ。」
私は思わず、大笑いしてしまいました。一日中気づかなかったOさんは大物ですが、長い間、Oさんのまたぐら&お尻周辺の劣悪な環境の中、耐え難きを耐え、忍び難きを忍いだ この「カメムシくん」にエールを贈りました。
エッセイ
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