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1.はじめに

現在、公共事業を実施するに際しては、必ず環境に配慮すること、或いは環境との調和に配慮することが求められることは、ご存じのとおりです。具体的な施策を幾つか挙げてみましょう。

このことに関しては国土交通省(建設省)の取組みが早く、平成2年、河川局の『多自然型川づくりの推進について』により、建設省及び都道府県が管理する全河川(既に着手している河川事業区間まで含む)を対象に、パイロット的に「多自然型川づくり(近自然工法)」が実施され、平成9年の改正によって、これまでの「治水」、「利水」に加えて「河川環境の整備と保全」が河川法の目的に明確に位置づけられました。また、工事実施基本計画の見直しが盛り込まれ、河川整備計画に関係住民の意見を反映する手続きが導入されました。現在、河川整備計画をつくる段階で環境影響評価(アセスメント)を行い、結果を周辺住民に公表する制度を導入することが検討されています。また、景観への配慮を事業の原則とする「美しい国づくり政策大綱」がまとめられました。

農林水産省においては、平成11年に制定された食料・農業・農村基本法において、農業生産基盤整備事業の実施にあたっては環境との調和へ配慮することが規定されたのを受けて、平成14年に施行された改正土地改良法において、土地改良事業の施行にあたっての原則として「環境との調和への配慮」が明記されました。 同時に地域の意向を踏まえた事業計画の策定も盛り込まれています。また同年、基本的考え方の骨子案として「環境との調和に配慮した調査計画・設計の手引き(案)」が提示され、

@環境保全マスタープランによる農村地域の環境調和
A調査、計画段階での環境調和の配慮
B事業計画書による環境調和審査
C環境調和に配慮した事業実施、維持管理・モニタリング

等が具体的に示されています。

また、「水とみどりの『美の里』プラン21」がまとめられ、公表されました。このプランは

@農地・森林と構造物の空間的調和
A健全で豊かな自然環境や景観の保全
B伝統文化に根ざした地域社会の維持
C農山漁村の魅力を活かした都市との交流

の4点を施策の基本的視点に据えています。

さらに、同年初めに自民、民主、公明、保守4党の共同提案によって自然再生推進法が成立、施行されました。過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的としたもので、行政に加え、住民や非営利組織(NPO)など地域の多様な主体の参加により、河川、湿原、干潟、藻場、里山、里地、森林、サンゴ礁などの自然環境を保全、再生、創出、又は維持管理することを求めるものです。また、文化庁は文化財保護法を改正して、棚田や里山など自然と人の暮らしがとけ込んだ伝統的な景観を文化財(「重要文化的景観保存地区」:仮称)として保存する新制度創設の方針を決めました。

では、何故近年になってこのように「環境」が脚光を浴びることになったのでしょうか。
 次回から少しずつ述べていきたいと思います。

目 次

写真

写真写真

国土交通省河川局 : 「多自然型川づくり」

国土交通省 : 「美しい国づくり政策大綱」

農林水産省「環境との調和に配慮した調査計画・設計の手引き(案)」

農林水産省農村振興局農村政策課 : 「水とみどりの『美の里』プラン21」

環境省「自然再生推進法」


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